ベルクのあるくらし

埼玉県オリジナルのいちご「べにたま」の生産地に行ってきました。

クリスマスぐらいから並び始め、ベルク青果売場の主役もみかんからいちごにバトンタッチしていく1月半ば。埼玉県吉見町と加須市北川辺で主に栽培されている幻のいちご「べにたま」の生産者のもとへ行ってきました。

こちらがべにたまのビニールハウス内。マルチが白く覆われているのにも実は秘密が。

「べにたま」は糖度が高く極良食味の「かおりん(埼玉県育成品種)」と「 かおりの(三重県育成品種)」を交配させ、選抜や現地試験を重ね、約9年の歳月を経て育成した品種。
新品種の名称に関しては埼玉県公式SNS等で県民をはじめ、いちご生産者、職員から募集した378件の中から選出。美しいいちごの色から「紅」、埼"玉"や丸い果実のイメージから「玉」の2文字をあわせた「べにたま」が令和3年4月に品種登録出願をされました。

誕生してから数年。今では様々なメディアでも取り上げられるようになった「べにたま」。
現時点では埼玉県内のみで流通しているこの品種ですが、他のいちごの有名ブランドとは異なり、生産者さんが日々試行錯誤しながら生産をしております。
それではべにたまの生産の様子について見ていきましょう!

ビニールハウスから採れたばかりのべにたま。
色が綺麗。持ちやすい。食べやすい。の3拍子揃った理想的ないちごです。

 

北川辺地区で生産されるべにたまは、朝収穫をおこない、夕方に出荷。翌朝にベルクの寄居のセンターに運び・各店舗へ仕分け、その次の日の朝にベルク各店に納品されます。 みなさんが実際に店舗で手に取って頂いているのは収穫から2日後のものなんですが!
実はこのべにたま。
採れたてよりも1〜2日ほどおいた方が甘い!!!
生産者さんいわく、採れたてのべにたまは水分を多く含みジューシーないちごではあるものの、収穫から1~2日ほど経ったべにたまのほうが水分がほどよく抜けて甘みが凝縮。一般的にいちごは追熟されないのだが、しっかり甘さがのって美味しいとのこと。
物流の関係もございますが、ベルクは一番甘くて美味しい食べごろのべにたまを埼玉県のベルク店舗各店に配送しています。

  • 収穫したばかりのべにたまをパクリ。
    べにたまのジューシーさが口いっぱいに広がります。

  • 生産者の方の食べ方は丸く囲っている部分を食べるこの食べ方一番右の先端部分が一番甘いため、いちごの出来を確かめるのに最適なのがこの食べ方なのだそう。

べにたまはもともと良食味で早生性・収穫性に優れた品種を作ろう!と生まれた品種。
他のいちごの品種にくらべ、受精の良さや成育の早さが自慢の品種なんです。
ただ苗が大きくなるのが早い分、他の品種に比べ、肥料をよく食べ、水を与える時間も長くなってしまうのだとか。
例えるならば


育ち盛りの男子高校生!

栽培までにすごく手間暇とお金がかかっている品種なのです。

べにたまの苗の様子。立派な葉が青々とついております。

ここで冒頭の写真でも触れたマルチが白い理由について。

いちごは成育を促進するために黒いマルチを用いて栽培するのが一般的だが、白いマルチを使用することによって地温を抑制し、育ちのいいべにたまの成育を抑える役割があるのだとか。
地温の差は黒いマルチを使用した場合に比べてその差は約2℃!
べにたまの痛み防止の役割もありますが、まず地温からべにたまの成育をコントロールしています。

実は白いマルチ以外にもこだわりがあるのがこの盛土!
いちご栽培でここまで高さのある盛土ができるのは北川辺地区特有なんだって!

ビニールハウスの中なので、取材日当日も日差しがあって「暑い!」と思わず言ってしまいたくなる室温なのですが、日中と夜の温度差は約28℃~6℃の中で管理しているとのこと。
寒暖差をつけることでべにたまの食味・色づきが良くなるためビニールハウス内の温度管理もしっかりしております。

  • マルチの下にはチューブが通してあり、こちらから肥料を混ぜた水を与えています。
    いちごの葉の状態を見ながら肥料の量や水の量をコントロールしています。

  • ちらが残念ながら一部枯れてしまったべにたまの葉。
    生産者ご自身も今までのイチゴ栽培の経験値が通じずまだまだ試行錯誤の部分も多いみたい。

ここで生産者の方にふとこんな質問を。

私「べにたまが(他品種に比べ)成育が早いのならたくさんいちごを栽培して販売したほうが利益も増えるのでいいのでは?」

生産者「実はひと粒をちゃんと大きく育てたほうが価値があり、作業性も上がるので、実が小さくて味が落ちてしまう7番株以降のべにたまに関してはあまり出荷していないのですよ」

生産者のところでは1~6番株まで成育し、ベルクで出荷。"べにたま"のブランドを守るべく、果形は厳しく選別のうえ形の悪いものは廃棄もしくは加工に回しているのだとか。
埼玉県オリジナル品種としてのこだわり、強く感じます。

  • 中央に見えているのがこれから成長するいちごの葉

  • これから大きくなろうとしていた、いちごの葉。
    べにたまを育てながら、大きくなりすぎないよう芽を摘むこともかかせない作業です。

以上、べにたまについてみてきましたがいかがだったでしょうか。

まだまだ北川辺地区周辺でも数人しか生産者がいない貴重な品種のべにたまですが、昨年度と比較すると生産量は倍近く増加するなど、試行錯誤しながら少しずつ増えてきています。

北川辺のべにたまは埼玉県のベルク各店にてただいま販売中です。
生産の事情から、売切れご免の商品になってしまいますがぜひこの時期に"ベリーグッド"ないちご、べにたまを手に取ってみてくださいね。

ベルク各店に運ばれる「べにたま」

ベルク公式Twitterでは新商品やお得な情報を随時発信してます。ぜひフォローしてくださいね!

ベルク公式Twitterはこちら>>

【~編集後記~】

べにたまについて生産の現状や厳しい選別基準に基づいてベルクに出荷頂いていることについてまとめましたが、
そこで気になるのが、「おいしいいちごってどこで見分ければいいの?」

ということで生産者さんにおいしいいちごの見分け方を聞いてきちゃいました!

生産者さんのおいしいいちごを見分けるポイントは大きく2つ!
①なるべく長細いいちご
②種が一部に集中しているもの

①②を満たしているいちごが赤くなるまでに時間がかかり、結果として甘いいちごとして成熟するそう。
ぜひベルクでいちごを買う時の参考にしてみてくださいね!

生産者さんに「おいしいいちごはどれですか?」とお持ちいただいたもの。ぜひご参考に!